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ボッシュのシンガポールキャンパス: スマートビルディングのコンセプトを実現

22 Nov 2019 | 読了時間: 7分
Bosch ConnectedWorld Blogからの翻訳

英語版のブログ記事についての詳細は こちらです。

 

どんなビルでもスマート化がこれまでより速く簡単に

スマートビルディングのコンセプトとそれがもたらす素晴らしいチャンスについて、多くのことが語られてきました。これらの内容はどれも、建築家がインテリジェントな建造物を青写真の段階から設計するときには、遠い未来の話に聞こえるでしょう。しかし、現実はもっと単純かもしれません。ボッシュとそのパートナーのテクノロジーにより、センサーを据え付けて最先端のネットワークとソフトウェアで接続すれば、既存のビルをスマート化することができます。小規模な構成から始め、必要に応じて拡張することをお勧めいたします。当社がボッシュのシンガポールキャンパスで行ったのはまさにこれです。築10年以上のビル内部にIoTセンサーとカメラ(センサーとして使用する)を設置し、 Bosch Connected Building(英語)ソフトウェアで統合しました。それによって、当社の古いビルが利用者と情報をやり取りすることが可能になりました。

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オープンなIoTエコシステムと共通のデータレイク

「IoTは単独ではできない」-ボッシュはこれを 常にモットーとしてきました(英語)。実際、技術開発を成功させるには、さまざまな企業が最良のノウハウ(ハードウェア、ソフトウェア、ドメイン固有のサービスなど)を提供し、その技術を取り巻くエコシステムを自由に発展させる必要があります。ボッシュは、オープンなIoTエコシステムの手法を追求し、業界全体、そして最終的には顧客のために、パートナーシップや協調を提唱しています。オープンな業界標準を推進し、オープンAPIを使用したスマートビルディングソリューションを提供します。これにより、サードパーティのソリューション、既存のBIM(Building Information Model:ビル情報モデル)、BMS(Building Management Systems:ビル管理システム)との統合が容易になります。

Connected Buildingのダッシュボード

Bosch IoT Suite(英語)および Connected Building(英語)ソフトウェアは、ビルのサイロ化されたレガシーシステム、センサー、カメラからデータを収集して、共通のデータレイクを作成し、そのデータを分析してグラフィックダッシュボードに表示します。このダッシュボードによって、ビル全体がどのように機能しているか、明確に把握することができます。また、ビルのサブシステムの効率や居住者の快適性を高める新しいアプリケーションやサービスを開発する場合、ビルデータが簡単に利用できるようになります。特定のアプリケーション領域に最適と思われるプロバイダーを選択し、オープンAPIを介してそれらのプロバイダーにデータレイクへのアクセスを許可することができます。

 

技術提携によるスマートビルディングの推進

シンガポールのコネクテッドキャンパスプロジェクトでは、SenseAgentセンサーを提供する豪州企業Levauxと提携しました。SenseAgentはスマートビルディング専用に設計された特注の多機能IoTセンサーです。照明を直接制御すると同時に、ビルの占有状況、移動、周囲光と騒音、空気質に関する10の主要パラメータを追跡することができます。この複合機能により、センサーを多数設置する必要がなくなります。SenseAgentセンサーはクラウドへの常時接続を必要とせず、毎週の運用スケジュールとプログラムに従って自動制御を行います。データは毎秒サンプリングされ、メッシュネットワークを介して直接ピアツーピアで共有され、ローカル処理でロジックベースの意思決定により照明を制御します。Bosch Connected Buildingソフトウェアと組み合わせることで、さまざまな実用的なIoTユースケースを実現しました。

ボッシュのシンガポールキャンパスの事例

昼光採取と照明スケジューリング

環境光追跡および照明制御機能により、ボッシュのシンガポールキャンパスが電灯を使用する方法を最適化し、快適性の向上と省エネを実現しました。

  • 午前7時から午後7時まで、オフィスのオープンスペースの照明は昼光採取モードで点灯します。つまり、昼光の強さに応じて照明の明るさを自動調整します。
  • 午後7時以降は、照明は動きや音に反応する人感検知モードに切り替わります。こうすることでオフィスの無人エリアの節電を図ります。
  • 会議室の照明は、常に人感検知モードにしておくことができます。不注意な同僚がいつも会議室の照明を消し忘れますが、これでもう大丈夫です。
  • 週末はオフィス全体の照明が自動的に人感検知モードに切り替わり、消費電力を最小限に抑えます。

空気質の監視

室内の空気質を改善すると 生産性が大幅に向上する(英語)ことは周知の事実です。ボッシュのシンガポールビルでは、重要な空気質パラメータをすべて追跡できるようになりました。システムオペレーターは、Connected Buildingのダッシュボードのフロアプランを見て空気質の状態を確認できます。特定のオフィスエリアの指標が正常範囲を超えるとプッシュ通知が送信されるので、オペレーターはHVACシステムを調整して外気の取り入れを増やしたり温度を最適化したりできます。需要に応じたHVACの使用により、消費電力を削減することもできます。

アセットの追跡

主要機器にBluetoothビーコンを取り付けることで、それらの機器がキャンパスのどこにあるか簡単に特定できるようになりました。ビーコンは電池の寿命が最大5年と長いため、設置後の手間がほとんどかかりません。また、さまざまな形状とサイズが用意されているため、ノートパソコンから電動工具まで、あらゆるものに簡単に取り付けられます。温度に敏感な環境で使用するための、温度トラッカー付きの特別な遠隔測定ビーコンもあります。たとえば、デバイスに接続すると、そのデバイスが過熱した場合に信号を送ります。特定のアセットが指定されたゾーンを離れた場合、システムオペレーターにプッシュ通知を送るように設定できます。アセット追跡機能は、当社のようなオフィスだけでなく、病院、作業所、学校、ホテル、コワーキングスペースなど、共有のパブリックスペースにも便利です。

エレベーターの監視

ボッシュとエレベーター分野の専門家であるTÜV SÜDがシンガポールで開発したフラッグシップソリューション、Lift Managerは、キャンパス内の乗用および貨物用エレベーターの状態を監視しています。ブランドや機種に関係なく、あらゆるエレベーターのデータを1つのダッシュボードに取り込み、物理的状態、利用率、乗り心地のパラメータを追跡し、異常を検出するとアラートを送信します。このシステムは、収集したデータに予測分析を適用することで故障を予測し、それを防止するために必要な保守作業を推奨します。当社の保守技術者は、故障の原因特定に時間をかける必要がなくなり、故障情報を事前に受け取り、先を見越して作業ができます。

 

 

 

 

占有状況の追跡

ビルのスペースが効率的に利用されているでしょうか?滅多に使わない部屋を転用できるか?現在の高額な不動産コストを考えると、これらの問いに明確に答える必要があります。Connected Buildingのダッシュボードでフロアプランを見れば、人の流れがリアルタイムに確認できます。詳細な占有状況レポートと使用傾向により、使用率の低いエリアや、逆に混雑していることが多いエリアを簡単に特定してスペース管理を改善することができます。規制ゾーンではリアルタイムの人感検知がセキュリティを高め、共有スペースでは占有状況のライブ通知が大きな価値を持ちます。

ボッシュのシンガポールキャンパスでは、オフィスエリアはSenseAgentセンサー、食堂やジムはボッシュカメラによって、それぞれの占有状況を追跡しています。ボッシュのCCTVカメラによる人や物体の計数機能によって精度の高いデータ収集が可能になり、ボッシュのシンガポールビルの居住者は、BoschAssistチャットボットで遠隔地から食堂やジムの混雑具合を確認することができます。

駐車場の監視と違法駐車の警告

以下の事例もボッシュのCCTVカメラを使用したものです。IoTセンサーとして使用するボッシュのCCTVカメラは、その物体認識と エッジ分析(英語)機能により、さまざまなスマートビルディングの計画を可能にします。

メインロビーの外は駐車禁止区域なので、カメラを設置して長時間停車している車を検知できるように向きを調整しました。ナンバープレート認識機能によって車のナンバーが記録され、BoschAssistチャットボット経由で警備員にメッセージが送信されます。それで警備員は該当する運転手に車を駐車場に移動するよう依頼することができます。警備員の手を借りず、自動化されたメッセージを構内アナウンス設備で放送することもできます。

駐車場の占有状況もリアルタイムに監視され、履歴レポートを含むすべての情報がConnected Buildingのダッシュボードから利用できます。

スマート避難

ビルが高層になるほど、緊急時に全員を安全に避難させることは難しくなります。40階建てのビルがあるとしましょう。20階で火災が発生した場合、ボッシュの構内アナウンス設備に組み込まれた 火災警報システム(英語)は、火災階とその上下階に対象を絞った避難警報を発する一方、他の階には別の警報を発して避難者の殺到を防ぐことができます。同時に、円滑な避難ができるように、関係する入退室管理ドアを開放することもできます。ボッシュのカメラは混雑状況を監視し、いずれかのドアに人が集中した場合、施設管理者が群衆を別の出口に誘導できるように支援します。前回のキャンパスでの防火訓練では、ボッシュのスマート避難システムを使用した結果、プロセスがより円滑で迅速になる効果が認められました。

乗用エレベーターロビーの台車検知

この小規模ながら興味深いユースケースは、ボッシュカメラの 機械学習機能(英語)を利用したものです。これはカメラが関心のある場面の見つけ方を学習する能力に基づいており、正しいシーンの画像と良くないシーンの画像を示して訓練します。商業ビルでは、搬送台車で物品を移動するスタッフは通常サービスエレベーターを使用しなければなりません。カメラは、乗用エレベーターロビーに搬送台車があれば検知できるように訓練してあります。乗用エレベーターで搬送台車を利用する違反が見つかると、構内アナウンス設備が、正しいエレベーターを使用するように忠告する自動メッセージを再生します。この機能は、お客様のニーズに応じて、その他さまざまな領域に適用できます。

ボッシュのシンガポールビル

今後の展望

ボッシュのシンガポールキャンパスにおけるスマートビルディングのコンセプトは実現の途上にあり、他のさまざまな興味深いユースケースや機能はまだこれからです。当社はBosch Connected BuildingとBMSおよびHVACシステムとの統合を計画しています。これによってわくわくするようなビジネスチャンスが生まれるでしょう。空気質、快適な気候、従業員の生産性の相関関係を突き止めれば、運用コストをさらに削減できます。どこに座っていてもパーソナライズされた微気候を持ち運べるとしたら、あるいは、騒音レベルが高すぎると会議室の照明の色が変わるとしたらどうでしょう。可能性は無限です。これはビルが本当にインテリジェント化する未来へとつながります。ビルは絶えず変化し続ける居住者のニーズに自動的に適応し、生活をより快適で持続可能な、生産性の高いものにします。その結果、より短時間でより多くの目標を達成し、屋外で陽光を浴びて質の高い時間を過ごすことができます。

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